アプリコットデザインが生まれるまで Part2

STORY

さよならお店

今でも覚えている。大きなトラックに在庫や備品を積んで、すっからかんになったお店を眺めながら寂しい思いをしている自分を。

3年間、がんばってきたお店とさよならの時。

いろんな思いが胸の中を駆け巡った。

これはチャンスなんだと必死に自分に言い聞かせた。

そして、事業統合してからの自分はすごかった。

不安がなくなった自分は水を得た魚のように休みなく働いた。

楽しくて仕方なかった。

ネットショップの売上は急上昇。
そして目標の金額に到達。

・・・

正直、やりきった。

その頃から興味は、物を作る方に向いていた。
チラシをデザインしたり、ホームページをデザインしたり、きれいな写真を撮影することだったり、通販サイトのデザインだったり。

しかし、いくら独学でやったとしても限度がある事も知る。
もっと突き詰めていきたい。
そんな思いが溢れ始めてきた。

そして、自分のこれまでの経験を生かし、小さなお店や事業を営んでいる人の手助けがしたいと思い始めてきた。
自分がお店を始めたあの頃、今の自分がもし手伝ってくれたらもっと違う結果になっていたのかもしれないと。

初めて小売業から他業界へ転向を試みる

そんな宙ぶらりんな思いで日々過ごしていると、とある朝、朝刊に入っていた求人情報に衝撃を受ける。

「社長募集します!」

ずらっと並んだ求人情報の中に、こんな斬新なキャッチコピーが書いてあった。
なんの会社かと見てみると、まさにデザイン会社だった。

ピンときた!心が動いた!

こんな斬新なキャッチコピーをつけるなんて、さすがデザイン会社だ。

自分の中で点と点がつながった気がした。
その後の行動は言うまでもないだろう。
次の日には履歴書を送っていた。

修行の日々

履歴書を送ったは良いものの、デザインの学校を出たわけでもなく、きちんと勉強をしたわけでもない。
こんな自分がデザイン会社なんかで働けるのだろうか。

そう思った僕は、履歴書と一緒に、自分の強みと弱みを書き、弱いところをいかに強みだと見せるかを考え、まとめた「自分の取扱説明書」を作成し面接に挑んだ。
これは今思えば「自分のブランディングっぽいこと」をしていたんだと思う。

ダメ元で面接を終え、結果はなんと「合格」!
とんでもなく嬉しかったのを覚えている。

初めて小売業界を離れ、スーツを着て出勤をする毎日。

今まで立って仕事をしていたのが、机に座って仕事をするようになり落ち着かなかったが、真面目に、直向きに修行する日々。
今まで自己流でやっていたものだから、すべてが新鮮だった。

毎日夜遅くまで勉強する日々が続いた。

そして、思う。
たいくつだ。

というのも、直接お客様とやりとりをする機会が少なかったので、自分のやった仕事が、お客様の役に立っているかどうか分からなかったからだ。

あぁ、たいくつだ。

そして、無謀にも一人でやってみようと思いはじめる。

手元にあった資金は100万円くらいだけど、会社を退職して、個人事業としてアプリコットデザインを始めた。

この時、29歳だった。

無謀すぎた独立

金なし、コネなし、人脈なし!

仕事もまだまだ見よう見まねのひよっこ。
なぜ独立しようと試みたのか、謎すぎるくらいだ。

ただ、お客様の役に立って喜んでもらいたいという思いだけは強かった。
しかし、そんなに甘くはない。

人生二度目の閑古鳥。
全くもって懲りないものだ。

仕事を獲得しようと、あれこれ試みてみる。
しかしどの作戦も鳴かず飛ばず。甘かった。

みるみる資金が底を尽きる。。
気がつくと手元のお金は10万円程になっていた。

結局初代アプリコットデザインは数ヶ月で終了となる。

おとなしく就職しよう

この時30歳手前。激動の20代を過ごしたものだから、悟りの境地に達していた。

もうおとなしく会社員として生きて安定した生活を送っていこう。
そう思い、仕事を探しているとまた人生を変える出会いがある。

県内で美容室を他店舗展開している本部で求人募集をしていた。
WEBや販促物の制作ができる方!集客のサポートをしてほしいという求人内容。
なぜかとても魅かれた。

特に美容のことに興味があったわけじゃない。
ただ、なんだかとてもおもしろそうだったのだ。

思い立ったら即行動。履歴書を送ったらすぐに面接、採用に至った。
この会社が僕のターニングポイントである事は間違いなく
この会社に就職していなかったら、今の会社は存在していないだろう。

もう独立なんて二度としない。

これまでのWEBやデザイン制作を活かせ、その反応をしっかりと知ることができる!と張り切って入社!

最初は、WEB制作やデザイン制作の仕事が主だったが、次第に様相が変わっていった。
気がつくと、WEB制作やデザインもやるけど、動画制作やイベントの運営、人事・労務などいろんな仕事を任された。
就職説明会を開いたり、同業者にプレゼンしに行ったりとめまぐるしかった。

この頃、勝手に自分のことをハイパーメディアクリエイターと呼んでいた。(もちろん実際の意味とは異なるが・・)
この頃は、大変だったけど、ナンダカンダ言ってとっても楽しかった。
仕事のやりがいもあったし、いろんな経験を積ませてもらえた。
もう独立したいなんて思いは一切なくなっていた。

やっとこれで安定した人生を送ることができる。

めでたしめでたし・・・

では終わらないのが僕の人生。

安定という二文字はどうやら存在しないらしい

美容師さんは独立する人が多い。
他店舗経営している美容室の本部だから、まあ独立する人が多かった。
たまたま、独立する人をサポートする機会があった。

いろいろとお手伝いをしていくうちに、だんだんうらやましくなってくる。

自分のお店を持つっていいな。
独立って楽しそうだな。
そんな風に思ってきた。

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